Q5. 測定対象物の放射率が分かりません。温度計の放射率設定を調整しないといけませんか?
放射率は測定対象物の材質や表面状態に依存します。研磨されて光沢のある金属表面などは放射率が低く、放射温度計ではうまく測定できないことも多々あります。1%の放射率エラーでも、500℃の測定では3℃以上の測定エラーになる場合がありますので、その用途に応じて調整することをお勧めします。フルークの放射温度計は一部のモデルを除いて、放射率を0.10から1.00の範囲で、0.01刻みで調整することができます。測定対象物の放射率が分からない場合は、以下の方法をご検討ください。
- 厳密な調整が不要な場合は、測定器メーカーやインターネットから得られる、物質ごとの代表値を使う。
- 物理系の文献で調べる、または測定対象物の材料メーカーなどから情報を提供してもらう。
- 接触式センサーの温度計と放射温度計で同時に測定し、接触式温度計と放射温度計の測定値が同じになるように放射温度計の放射率を調整する。
- 測定対象物に手を加えられる場合は、放射率が分かっている黒体スプレーを塗ったり黒体テープを貼ったりして測定する(耐熱温度に注意)。